美容内服について~シナール・トラネキサム酸・ユベラ・ビオスリー・ビオフェルミンによる内面からの美肌アプローチ~
- ROHE_CLINIC_GINZA
- 5月18日
- 読了時間: 8分
様々なスキンケアや肌治療の最新機械が注目される一方で、体内環境から美しさを引き出す「美容内服」が近年再び注目されています。中でもシミ・肝斑・くすみ・肌荒れに悩む方にとって、美容内服は非常に有効な選択肢となり得ます。
当院では、以下の美容内服薬を自由診療で取り扱っており、目的に応じたカスタマイズ処方を行っています。

1. シナール(アスコルビン酸+パントテン酸カルシウム)
有効成分と作用機序
アスコルビン酸(ビタミンC):チロシナーゼ活性阻害によりメラニン生成を抑制。さらに、抗酸化作用を介して皮膚細胞の酸化ストレスからの保護、コラーゲン合成促進にも関与。
パントテン酸カルシウム(ビタミンB5):皮膚や粘膜の代謝を助け、ストレス応答や副腎皮質機能にも関与。
効果
・美白・肝斑・色素沈着の抑制・ニキビ後の色素沈着ケア・抗酸化による肌の老化予防
美容目的での推奨量
1日500~1000mg(通常は1回1錠、1日2~3回)
服用タイミング
毎食後または朝・夕食後。ビタミンCは水溶性で血中濃度が安定しないため、分割投与が推奨されます。
効果が出るまでの目安
2〜4週間でトーンアップや肌の明るさ改善が始まり、3ヶ月以降で色素沈着やシミの減少効果が明瞭に。長期使用しても基本的には問題ありませんが、定期的に医師の診察等を受け見直すことが推奨されます。
禁忌事項
腎結石の既往(特にシュウ酸カルシウム)
ヘモクロマトーシス(鉄過剰症)
日常食からの摂取量と不足状況
厚労省の推奨摂取量(18~49歳女性)=100mg/日に対し、平均摂取量は85.5mg/日(国民健康・栄養調査2021)と慢性的に不足傾向。美容効果を期待するには300〜1000mg/日の摂取が必要とされ、内服による補充が推奨されます。
一般的な自由診療価格相場(90日分):4,000~6,000円
当院価格:2,000円(税込)
2. トラネキサム酸(トラネキサム酸250mg)
有効成分と作用機序
トラネキサム酸:プラスミン阻害により、メラノサイト刺激因子(プロスタグランジンやアラキドン酸代謝物)を抑制。結果として、肝斑・炎症性色素沈着の形成をブロック。
効果
・肝斑の改善・ニキビや湿疹後の色素沈着予防・赤ら顔の緩和(抗炎症作用)
美容目的での推奨量
1日750〜1000mg(250mg×3〜4錠)
服用タイミング
毎食後または朝・夕食後に分けて服用。連続内服が効果的。
効果が出るまでの目安
肝斑改善:4〜8週間で明らかな変化。色素沈着の軽減には3ヶ月以上が必要。
長期使用の限度
目安:3〜6ヶ月間連続服用→休薬期間を1〜2ヶ月設ける(長期連用は基本的に安全とされるが、医師管理下で)
禁忌事項
血栓症の既往
抗凝固薬服用中(ワーファリン、DOAC等)
ピル・ホルモン療法中の併用は注意
食事からの補給は?
食事由来の摂取不可。トラネキサム酸は合成アミノ酸誘導体であり、経口摂取は医薬品のみが供給源です。
一般的な自由診療価格相場(90日分):5,000~8,000円
当院価格:3,000円(税込)
3. ユベラ(トコフェロール酢酸エステル=ビタミンE)
有効成分と作用機序
ビタミンE(天然型トコフェロール):脂質過酸化抑制により、細胞膜の酸化ダメージを防止。末梢循環改善作用を通じて、肌の血流・代謝を促進。
効果
・くすみ・冷え性の改善・酸化ストレスの軽減(エイジングケア)・女性ホルモンバランスのサポート
美容目的での推奨量
1日100~300mg(通常は50mg/錠を1日2~3回)
服用タイミング
食後服用推奨(脂溶性のため吸収向上)
効果が出るまでの目安
血行改善:1〜2週間以内くすみや酸化ストレス軽減:4週間以降に実感月経関連症状には3周期以降で効果
長期使用の限度
6ヶ月〜1年を目安に定期的な評価を行いながら継続可能
禁忌事項
ビタミンE過敏症
出血傾向のある方(ワルファリンなどとの併用注意)
日常食からの摂取状況
推奨摂取量(18〜49歳女性)=6.0mg/日に対し、平均摂取量は5.4mg/日(栄養調査2021)。特にダイエット中や脂質制限食では不足しやすく、美容目的では100mg/日以上が推奨されるため、内服補充が必要です。
一般的な自由診療価格相場(90日分):4,000~6,000円
当院価格:2,000円(税込)
4. ビオスリー(乳酸菌・糖化対策製剤)
有効成分と作用機序
ラクトミン(乳酸菌)、酪酸菌、糖化抑制成分:腸内フローラを整えるとともに、AGEs(終末糖化産物)生成を抑制し、コラーゲン劣化を防止。
効果
・便通改善、肌荒れ・ニキビの予防・皮膚炎の背景因子となる腸内毒素の軽減・腸管免疫の正常化による炎症制御
美容目的での推奨量
1日3錠(乳酸菌600mg以上含有)
服用タイミング
食後または寝る前に分けて服用。空腹時でも可。
効果が出るまでの目安
腸内環境改善:1〜2週間で便通変化肌荒れ・ニキビ改善:2〜4週間目から実感AGEs対策によるくすみ改善:3ヶ月以降に実感
長期使用の限度
明確な上限なし。慢性腸内フローラ対策として継続可能
禁忌事項
免疫抑制療法中の方(重篤な菌血症リスク)
乳製品アレルギー(製剤により微量乳由来成分含む)
食事からの摂取状況
現代人の食物繊維摂取量=13g/日(推奨18g以上)と不足傾向。乳酸菌も日常食(ヨーグルト等)では株の量・種類ともに個体差大きく、効果にムラあり。特に酪酸菌・ビフィズス菌などの定着は内服製剤での摂取が安定的。
一般的な自由診療価格相場(90日分):5,000~7,000円
当院価格:4,000円(税込)
5. ビオフェルミン(乳酸菌製剤)
有効成分と作用機序
ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌など:腸内でのpH調整、有害菌の抑制、短鎖脂肪酸産生促進により、腸粘膜バリアと免疫を正常化。
効果
・腸内善玉菌の増殖促進・腸由来の炎症性サイトカイン抑制・敏感肌・アトピー素因への補助療法
美容目的での推奨量
1日3錠(乳酸菌含有)
服用タイミング
毎食後または就寝前に分けて服用
効果が出るまでの目安
便通改善:1週間以内肌荒れ・赤みの軽減:2〜4週間アトピー性皮膚炎の補助改善:3ヶ月以降で顕著
長期使用の限度
長期安全性高く、継続使用可(妊娠・授乳中も可)
禁忌事項
重篤な免疫抑制状態(白血病、化学療法中など)
食事での補給は?
一般的な発酵食品(味噌・漬物・ヨーグルト)では、胃酸で菌が死滅するリスクが高く、腸まで届きにくい。ビオフェルミンは腸溶性の処方設計で、腸管での定着率が高いことが特徴。
一般的な自由診療価格相場(90日分):3,000~5,000円
当院価格:4,000円(税込)
腸内環境と肌の関係:近年注目される「腸-皮膚軸(gut-skin axis)」
腸内フローラが皮膚状態に影響するという概念は近年、研究的にも確立されつつあります。2021年に発表されたレビュー論文(Lynch SV, Pedersen O. "The Human Intestinal Microbiome in Health and Disease." New England Journal of Medicine. 2021; https://doi.org/10.1056/NEJMra2023618)では、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸(SCFAs)が皮膚のバリア機能や炎症応答に深く関与していることが示されています。
また、腸内環境の乱れ(ディスバイオーシス)は、皮脂分泌の異常、アクネ菌の過剰増殖、免疫バランスの崩壊を引き起こすことも報告されており、便通異常・食生活の乱れが肌トラブルに直結する根拠とされています(Kim HJ, et al. Frontiers in Microbiology. 2019; https://doi.org/10.3389/fmicb.2019.02930)。
腸を整えることは、単なる整腸効果にとどまらず、「皮膚の炎症抑制」や「バリア機能改善」にも波及します。そのため、ビオスリーやビオフェルミンのような乳酸菌製剤を美容目的で用いることは、根拠ある“内服美容”といえるのです。
美容目的で食事だけでなく内服が必要な理由
現代日本人は栄養素の「量」ではなく「機能的濃度」の不足状態(functional deficiency)に陥っているとされる(厚労省・日本栄養学会)
美容に必要な量(ビタミンC・E・乳酸菌等)は、生理的維持量を超える“治療的用量”であり、食事のみでの充足はほぼ不可能
個人輸入や市販サプリに潜むリスクとは?
近年、インターネットを通じた薬やサプリメントの個人輸入が増加していますが、この行為には重大なリスクが伴います。
偽造医薬品のリスク:WHO(世界保健機関)は、個人輸入薬のうち最大50%以上が偽造品であると警告しています(WHO 2017年報告)。
有効成分の誤表示:成分がラベル通りに含まれていないケースが多く、効果が出ない・過剰摂取などの健康被害が発生。
保存状態や製造基準の不明瞭さ:冷蔵保管が必要な薬が常温で輸送される、製造工程が非公開など、安全性が著しく低い場合があります。
副作用や相互作用の管理が不可能:持病や他の薬との併用により重篤な副作用が生じる可能性がありますが、個人輸入では医師のチェックを受けられません。
医療機関での処方を選ぶべき理由
成分と効果の科学的保証:医療機関で処方される医薬品は、厚生労働省により品質・有効性・安全性が厳密に審査されています。
適正な量と組み合わせを医師が調整:肌質や症状、既往歴、生活習慣などを総合的に判断して処方されるため、効果的かつ安全です。
副作用や相互作用のモニタリングが可能:必要に応じて診察を行い調整します。
美容医療との併用効果を高められる:内服とレーザー治療や注入治療等を組み合わせた“相乗効果”を得られます。
まとめ:美容は外から・内からのハイブリッド時代へ
美肌医療において、内服療法は決して補助的な位置付けではなく、「皮膚外用で届かない部位に作用する専門的な治療」です。
特に、肝斑・くすみ・ニキビ後の色素沈着・肌荒れなどには、これらの内服薬が治療の中心となることも少なくありません。
当院では、美容内服を“なんとなく”で処方するのではなく、患者さまの肌状態・生活習慣・既往歴などを総合的に評価し、最適な内服セットをご提案いたします。
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