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医師によるスキンボトックス完全ガイド


「スキンボトックス」「マイクロボトックス」という施術を聞いたことはありますか?ボトックスというと、筋肉に打ってシワを浅くする、アンチエイジング治療の一種というイメージが強い方が多いのではないでしょうか。スキンボトックスは、通常のボトックスと打つ深さが異なる、肌治療の一種です。一般的に、効果が出るまでに回数や料金が必要となりやすい肌治療において、スキンボトックスは手を出しやすい選択肢の一つです。毛穴や脂性肌に悩む方にとって、即効性のあるスキンボトックスは、一度お試しされると美肌への近道かもしれません。この記事では、効果、注意点、料金相場等について、美容外科医の視点から丁寧に解説します。




効果・メカニズム

スキンボトックスは、ボツリヌストキシンを真皮浅層(superficial dermis)皮下直上(subdermal layer)の、神経終末や皮脂腺が分布するゾーンに点状に微量注入することで、以下のような効果を発揮します。


  • 皮脂分泌の抑制 → テカリ・ニキビ予防

  • 立毛筋の緊張緩和 → 毛穴の開き改善

  • 汗腺の活動抑制 → 赤み・汗ジミ予防

  • 表皮の緊張のバランス調整 → ハリ感・ツヤ感アップ


打つ層が1mmでもズレると表情筋への作用が強く出てしまいます。表情筋の動きに違和感を出さずに肌質改善させるためには、正確な層への注入が求められます。シンプルな手技ではありますが、技術力と丁寧さが必要とされる繊細な処置です。




部位別の単位数と目的

部位

目的

単位数(目安)

額全体

毛穴・皮脂・小じわ改善

8〜12単位

毛穴・皮脂・赤み改善

12〜20単位

毛穴・皮脂・黒ずみ改善

4〜6単位

口まわり

毛穴・皮脂・小じわ改善

4〜6単位

フェイスライン

皮脂・ニキビ改善、リフトアップ

6〜10単位




禁忌事項(ボツリヌストキシン全般に共通)

スキンボトックスは比較的安全性の高い施術ですが、以下に該当する方は施術前に必ず医師と相談してください。

  • 妊娠中・授乳中(安全性が確立されていない)

  • 神経筋疾患のある方(重症筋無力症など)

  • ボツリヌストキシン製剤に対する過敏症歴がある方

  • 過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方

  • 自己免疫疾患をお持ちの方(一部医師の判断による)




料金相場

スキンボトックスは部位数・使用薬剤・医師の技術によって価格が大きく変動します。

内容

相場

顔全体(頬+額+鼻)

3〜6万円/回

顔+首セット

6〜8万円/回

頬・鼻など1部位

1〜2万円/回

使用薬剤

アラガン製:やや高価/韓国製:比較的安価




他の皮脂・毛穴治療との大まかな比較

治療法

具体例

主な効果

メリット

デメリット・注意点

内服薬

ビタミンB群、漢方、スピロノラクトン、イソトレチノイン

皮脂分泌の抑制、ニキビの予防、炎症抑制

手軽、全身に効く、コストが比較的低め

効果が出るまで時間がかかる、日々の継続が必要、副作用あり(特にイソトレチノイン)、妊娠・授乳中はNGのことが多い

外用薬・スキンケア

ディフェリン、トレチノイン、ナイアシンアミド、ピーリング剤

角質のターンオーバー促進、皮脂抑制、美白効果

自宅で継続可能、コストが安い

赤み・乾燥・刺激感が出ることも、日々の継続が必要、改善度合いは軽度〜中等度まで

レーザー治療

フラクショナルCO2、ピコフラクショナル、レーザートーニング

毛穴の引き締め、コラーゲン生成、皮膚の入れ替え

高い効果、肌質改善も同時に期待

ダウンタイム強め(赤み、かさぶた)、複数回必要、痛みを伴うことも、色素沈着等のリスクあり

光治療(IPLなど)

フォトフェイシャル、ライムライト

色素沈着・赤みの改善、軽度の毛穴引き締め

ダウンタイム少なめ、美白や赤みにも効果

マイルドな効果で劇的な改善は難しい

注入系治療(肌質改善)

スキンボトックス、ダーマペン+薬剤(ヴェルベットスキンなど)、水光注射

毛穴の引き締め、皮脂抑制、ツヤ肌

即効性あり

継続が必要(3〜6ヶ月おき)

ラジオ波・HIFU

サーマクール、ポテンツァ、ウルトラフォーマーなど

タイトニング効果、皮脂腺の熱変性

リフトアップと毛穴改善が同時に期待できる

痛み・腫れ

ピーリング(クリニック)

サリチル酸マクロゴール、ミラノリピール、TCAなど

古い角質除去、毛穴の詰まり改善

比較的安価、肌全体のくすみにも有効

乾燥や一時的な刺激感、敏感肌には不向きな場合も




毛穴タイプ別おすすめ治療

毛穴のタイプ

主な原因

有効なアプローチ

開き毛穴(皮脂)

過剰皮脂・思春期・インナードライ

スキンボトックス、ビタミンC内外用、ピーリング

黒ずみ毛穴

酸化皮脂・角栓

ピーリング、洗顔見直し、毛穴吸引

たるみ毛穴

加齢・コラーゲン不足

HIFU、RF、ポテンツァ、ダーマペン+成長因子

クレーター毛穴

炎症性ニキビ後の瘢痕

フラクショナルレーザー、ポテンツァ、ダーマペン




まとめ

スキンボトックスは「効かせすぎない」ことが大切な治療です。必要最小限の単位数を拡散させすぎず、目的部位に的確に注入することで、短期間で肌質を劇的に改善できうる選択肢です。肌治療の中ではダウンタイムが出にくく、リスクも小さく、比較的コストも抑えられる良い治療です。初回はやや控えめな量からスタートし、効果を見ながら調整していくのが理想的なので、同じクリニックに通うことが推奨されます。

ぜひお気軽にご相談にいらっしゃってください。

 
 
 

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